映画秘宝12月号『たたかえっ!憲法9条ちゃん』書評

 
 いやー、まさか本当に載っているとは。
 

 
 洋泉社の出している映画雑誌『映画秘宝』に9条ちゃんの書評が載っていると聞いたので買ってみました。思った通りそんなに大きな記事ではなかったですが、好意的だったので安心しました。(まあ、この本に悪意的な感想を抱くような大人げない大人はいないと信じたいけど……。)
 なぜか山本弘さんの『地球移動作戦』という本と並べて語られていた。いやー、早川書房とぽりてん文庫が同じ文脈で語られる日が来るなんて、夢にも思っていなかったですよ。
 

(略)対する『9条ちゃん』は文学フリマでも話題になった憲法9条萌えラノベ(背中にチェーンソーを背負った美少女も活躍)。その解釈は高橋洋『狂気の海』に迫る恐るべきものです。著者は苦しい生活の中で第2作(今度は精神異常者は無罪になる刑法39条萌え! 狂気の女の子が連続殺人を繰り返す話になるのか?)を準備中とのことなので、心ある読書人は中野ブロードウェイタコシェ」で本書をお買い求めください。

 
 うーむ、ここまで素敵な書評だとは思っていなかった。どのへんが素敵なのかと言うことをご説明いたしましょう。
 まず、「背中にチェーンソーを背負った美少女」(知恵院左右)をちゃんと特筆している点。チェーンソーや「切り株」が大好きな映画秘宝が書評を出すのだから、必ずここには目を付けていると思っていた! 
 そして何よりも、「その解釈は〜」以下のところ。『たたかえっ!憲法9条ちゃん』は序盤の爆笑キチガイ官能シーン、中盤のドタバタスラップスティック、終盤のスタンダードなラノベ的展開などに言及されがちで、意外と(?)「憲法解釈」というところを感想として出す人はいなかった。たった一言でも、公式の場でそれを「恐るべきもの」と言ってもらえるだけで『9条ちゃん』を書いた甲斐があったというものです。
 ライターさんの優しさも実にいいですね。僕の生活が苦しいことをわざわざ示し、「だから買ってあげてください」という泣き落としを、僕にかわってしていただいているわけですよ。ああ、なんといういい人なのであろう。
 
 すでに『9条ちゃん』をお持ちの方は、このライターの方が何をもって「恐るべき」と言っているのか、考えてみてくださると、何か楽しいのかもわかりません。