クジラとセックス教団

 現在執筆中の新作『ぶっころせ!刑法39条ちゃん』には、どういうわけか「クジラとセックス教」という新興宗教団体が出てくるのだが、その儀式の模様を描くためにここ数日はずーっとクジラの生態について調べている。特にクジラの性器についてを綿密に知る必要があって、それがどうにもうまくいかなくて非常に難儀。果ては『鯨ポータルサイト』なるホームページに質問メールまで送る始末。助けて専門家さん!
 
 作中に出てくるシロナガスクジラの男根は最大で三メートルくらいあるらしいんだけど、詳しい形状や動き、色などについて詳細な情報や画像がない。英語にしてググってみても芳しい効果が得られず、ニコニコ動画にあったイルカに手淫&口淫する動画などを見て「クジラはイルカの大きいのだから、おそらくこんなふうなのだろう」と予測をつけるしかない。困った。まあしかし、ネットで調べて図書館に行って専門家の話も伺えば取材としてはひとまず充分だと思うので、大きく描写を間違えることはなかろうと思う。たぶん。
 
 9条ちゃんシリーズを執筆していると、本当に自分は頭がおかしいのかもしれないと思ってしまう瞬間が多々あるのだが、わずか十数ページかせいぜい二〜三十ページ程度の「クジラとセックス」シーンを書くために何日も(このままだと一週間はかかる)費やして調べ物をするというのは我ながらひどい。
 と思ったけど、クジラとセックスシーンを最低でも十数ページは書こうという前提が最も奇怪であるような気もする。今のところ文庫にして6ページほど執筆したが、まだ「本番」前の「生け贄」を捧げるシーンの真ん中くらいである。なんとか二十ページ以内には抑えたい。いや、抑える。がんばります。